さしぐみに袖ぬら 若紫05章20

2021-05-14

原文 読み 意味

 さしぐみに袖ぬらしける山水に澄める心は騒ぎやはする
耳馴れはべりにけりや と聞こえたまふ

05083/難易度:☆☆☆

 さしぐみ/に/そで/ぬらし/ける/やまみづ/に/すめ/る/こころ/は/さわぎ/やは/する
みみ/なれ/はべり/に/けり/や と/きこエ/たまふ

《ふとしたことで袖をお濡らしになった山水だが ここに住みなれた澄んだ心はそんなことでは動じません》
耳慣れてしまっておりますもので」と申し上げになる。

 さしぐみに袖ぬらしける山水に澄める心は騒ぎやはする
耳馴れはべりにけりや と聞こえたまふ

大構造と係り受け

古語探訪

さしぐみに 05083

急にの意味と、「さしくみ」の涙がわくの意味をかける。

すめる 05083

住めると澄めるをかける。「うちつけなる御夢物語」と「さしぐみに袖ぬらしける」がパラレルであり、光の色気に対しても懺悔に対してもともに、唐突で根のないものだとしている点に注意したい。

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