吹きまよふ深山お 若紫05章19

2021-05-14

原文 読み 意味

 吹きまよふ深山おろしに夢さめて涙もよほす滝の音かな

05082/難易度:☆☆☆

 ふき/まよふ/みやま/おろし/に/ゆめ/さめ/て/なみだ/もよほす/たき/の/おと/かな

《吹き荒れる深山おろしに煩悩の夢がさめて 涙をさそう滝の音だな》

 吹きまよふ深山おろしに夢さめて涙もよほす滝の音かな

大構造と係り受け

古語探訪

吹きまよふ 05082

深山おろしに直接かかるが、「迷ふ」は「夢=煩悩」の縁語であり、これにも響き合う気がする。

深山 05082

尼君の歌の「深山の苔」を意識する。

夢 05082

光の前言である「尋ねきこえまほしき夢を見たまへしかな」とその折りの僧都の返答「うちつけなる御夢物語」を受ける。光の歌は懺悔になっている点に注意したい。

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