御文はたびたびたて 若紫13章13

2021-05-10

原文 読み 意味

御文はたびたびたてまつれたまふ 暮るれば 例の大夫をぞたてまつれたまふ 障はる事どものありて え参り来ぬを おろかにや などあり

05220/難易度:☆☆☆

おほむ-ふみ/は/たびたび/たてまつれ/たまふ くるれ/ば れい/の/たいふ/を/ぞ/たてまつれ/たまふ さはる/こと-ども/の/あり/て え/まゐり/こ/ぬ/を おろか/に/や など/あり

お手紙は度々お遣わせになる。暮れると、例の大夫をお遣わせになる。「差し障る用事があって、参上できないことを、不実であろうか」などと報告がある。

御文はたびたびたてまつれたまふ 暮るれば 例の大夫をぞたてまつれたまふ 障はる事どものありて え参り来ぬを おろかにや などあり

大構造と係り受け

古語探訪

たてまつれたまふ 05220

「れたまふ」という二重敬語ではもちろんない。「たてまつる」には、四段活用と下二段活用がある。前者に「たまふ」「れたまふ」をつけると、「たてまつりたまふ」「たてまつられたまふ」となる。後者は前者の使役形とされている。手紙や使者を相手に送るという意味の謙譲語。

おろか 05220

おろそかの意味。相手への誠意がたりない。

などあり 05220

光の手紙の文句のなかにある、あるいは、使者の挨拶として惟光が光の言葉を伝えた中にあるという意味。

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