いとおし立ちかどか 桐壺07章17

2021-04-18

原文 読み 意味

いとおし立ち かどかどしきところものしたまふ御方にて ことにもあらず思し消ちて もてなしたまふなるべし

01097/難易度:☆☆☆

いと/おしたち/かどかどしき/ところ/ものし/たまふ/おほむ-かた/にて こと/に/も/あら/ず/おぼし-けち/て もてなし/たまふ/なる/べし

とても押し出しが強く、とげとげしたやり方をなさるお方で、何ほどのことがあろうかと帝をお慰めする気持ちもそこそこに、憚りなく振る舞われるのでしょう。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • もてなしたまふなるべし 四次元構造

〈[弘徽殿の女御]〉いとおし立ち かどかどしきところものしたまふ御方にて ことにもあらず思し消ちて もてなしたまふなるべし

助詞と係り受け

いとおし立ち かどかどしきところものしたまふ御方にて ことにもあらず思し消ちて もてなしたまふなるべし

「いとおし立ち」「かどかどしきところものしたまふ」(並列)→「御方にて」

いとおし立ち かどかどしきところものしたまふ御方 ことあら思し消ち もてなしたまふなるべし

助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞

助動詞の識別:に に ず なる べし

  • :断定・なり・連用形
  • :断定・なり・連用形
  • :打消・ず・連用形
  • なる:断定・なり・連体形
  • べし:推量・べし・終止形
敬語の区別:たまふ 御 思す たまふ

いとおし立ち かどかどしきところものしたまふ方に て ことに もあらず思し消ちて もてなしたまふなる べし

尊敬語 謙譲語 丁寧語

古語探訪

思し消ち 01097:何を考慮の外に置くのか

帝のお悲しみを軽視する。帝を無視するという解釈は行き過ぎであろう。桐壺にまつわる部分を否定するのである。

おし立ち 01097

横紙破り、我の強いこと。

かどかどしき 01097

かどのあるさま。

ことにもあらず 01097

何ほどでもない。重大事ではない。更衣風情が亡くなったからと言って、取り立てて騒ぐことではない。

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