A:解釈を決定づける基幹語– tax –
-
えゆきやらじ え行きやらじ 01-030
これが帝の訴えの核心。この言の葉が死にかかっている女の霊が揺さぶるのが「いみじ」。「行きやる」は自分を置いてどんどん行ってしまう。 限りあらむ道にも後れ先立たじと 契らせたまひけるを さりともうち捨ててはえ行きやらじ とのたまはするを 女... -
さらにえゆるさせたまはず さらにえゆるさせたまわず さらにえ許させ給はず さらにえ許させ給わず 01-029
それ以上は決してお許しにならなかった。「さらに」はここでも肯定での用法の意味を残す。「その年の夏、御息所、はかなき心地にわづらひて、まかでなむとしたまふを、暇さらに許させたまはず/01-024」も同じ用法。そちらで解説した。具体的には、輦車はい... -
いかさまに 如何様に いかさまなり 如何様なり 01-028
「いかさまにせん」の略で「どうしたらよいか」と解釈されるが、「いかにせん」ならその意味になる。そもそも「いかさまにせん」は表現として自然さを欠く。ここは「いかさまにならむ」の中略、「どうなってしまうのか」の意味。帝はもちろん回復を願って... -
われかのけしき 我かの気色 01-028
我か人かわからないとのことで、意識がうつろになっている状態。魂が抜けだそうとしているのだ。 いとにほひやかにうつくしげなる人の いたう面痩せて いとあはれとものを思ひしみながら 言に出でても聞こえやらず あるかなきかに消え入りつつものした... -
きしかたゆくすゑおぼしめされず よろづのことをなくなくちぎりのたまはすれど 来し方行く末思しめされず よろづのことを契りのたまはすれど 来し方行く末思し召されず 萬の事を契り宣わすれど 01-028
この解釈も的外れが多い。「過去を振り返ること、将来を頼むこと」といった注があるが、それは辞書を引くに過ぎない。辞書の意味を文脈に合わせてどう解釈するか、そんな基本姿勢すら見受けられない。「思し召されず」が「契りのたまはすれ」に係ることを...