A:解釈を決定づける基幹語– tax –
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ものをおもひしみ ものをおもいしみ 物を思ひ染み 物を思い染み ものをおもひしむ ものをおもいしむ 物を思ひ染む 物を思い染む 01-028
運命をかみしめながら。 いとにほひやかにうつくしげなる人の いたう面痩せて いとあはれとものを思ひしみながら 言に出でても聞こえやらず あるかなきかに消え入りつつものしたまふを 御覧ずるに 来し方行く末思し召されず よろづのことを泣く泣く... -
にほひやかに にほいやかに 匂ひやかに 匂いやかに にほひやかなり においやかなり 匂ひやかなり 匂いやかなり 01-028
丹色がくっきりと浮き出るのが原義。香りがほのぼのと立ち上る意味にも転じる。発散する美で、光源氏、薰の君に受け継がれてゆく性質。 いとにほひやかにうつくしげなる人の いたう面痩せて いとあはれとものを思ひしみながら 言に出でても聞こえやらず... -
おぼつかなさ 覚束なさ おぼつかなし 覚束なし 01-027
「おぼろ」の「おぼ」ではっきりしないを原義とする語。一緒にいない、距離があくなどから生じる、つかめなさ、見通しのなさ。この文脈で考えると、この先の病状がどうなるか見通せないことからくる不安である。死が優勢を占めるなら、絶望はするにしても... -
ごらんじだにおくらぬ 御覧じだに送らぬ ごらんじだにおくらず 御覧じだに送らず 01-027
見送りさえしないと解釈されるが、今まさに見送りしているのである。帝自ら更衣の里まで見送るはずもない。病状がどうなるか見届けること。この時点では、帝は病状が重いことは気づきながらも、まだ死を正面からは受け止めようとしていない。更衣への愛情... -
しのびて 忍びて しのぶ 忍ぶ 01-026
どの注もこっそりとと訳すが、輦車の宣旨まで出て行列をつくって出てゆくのに、こっそりとは無理な話である。ここの「忍ぶ」は一人息子を宮中に置き去りにし、長く過ごした帝とも別れ、死を覚悟して出て行くことに対して、涙をのんで、耐え忍んでの意味。...