A:解釈を決定づける基幹語– tax –
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すゑて 据ゑて すう 据う 01-182
これは王朝文学を理解する上で、非常に重要な語である。「据う 据ゑ」とは、王朝時代の結婚形式のひとつで、正式な結婚ではなく、古代からつづく略奪結婚のようなもの。光源氏が藤壺の宮のことを思っているからといって、ここも正式な結婚を夢見ていると... -
おもふやうならむひと 思ふやうならむ人 おもうようならむひと 思うようならむ人 01-182
藤壺みたいな人。藤壺でなくてもよい点に注意したい。紫の上などが想定されているだけでなく、藤壺への愛は実を結ばないものであり、そのゆかりを追い求めるのが、源氏物語の構造になっている。 かかる所に思ふやうならむ人を据ゑて 住まばやとのみ 嘆か... -
めでたくつくりののしる めでたく造りののしる めでたし ののしる 01-181
大騒ぎして造営すると訳されてきたが、わいわい騒ぎながらつくることになんの意味があるのかわからない。造営した結果が大騒ぎとなるような評判を得たとの意味である。 もとの木立山のたたずまひ おもしろき所なりけるを 池の心広くしなして めでたく造... -
ははみやすんどころのおんかたのひとびと 母御息所の御方の人びと 01-179
「母御息所の、御方の人びと」ではなく「母御息所の御方の、人びと」である。「母御息所の御方」が桐壺更衣。人々は桐壺更衣付きの女房たち。貴族は一人で行動することはなく、さまざまな情報を取り次ぐ女房たちを通して得るため、女房たちが有能か、仕え... -
ことふえのねにきこえかよひ 琴笛の音に聞こえかよひ きこえかよふ 聞こえかよふ 聞こえ通ふ 聞こえ通ひ 01-175
琴は藤壺の宮が、笛は光源氏が演奏する。「聞こえ通ひ」とあるので、互いに楽器のかなでる音を通して、思いを通わせあうのである。思いを通わせ合うとは、当然ながら、通わせ合う「思ひ」がなければならない。これまで光源氏からの一方的なものであったの...