A:解釈を決定づける基幹語– tax –
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ちゆうじやうまちとりてこのしなじなをわきまへさだめあらそふ 中将待ちとりてこの品々をわきまへ定め争ふ まわえさだめあらそう まきまえ定め争う 02-030
ここは以後の発言の話者を決定するうえで、極めて重要な文言である。この箇所からすると、二人を待ち受けた頭中将は左馬頭と討議していることになっている。これまでの注釈では、頭中将はただ左馬頭の意見を拝聴しているに過ぎない。左馬頭の発言とされて... -
そのしなじなやいかに その品々やいかに 02-029
光源氏の提案は、カテゴリカルなもので議論のための話題作りという感じがする。実際、この質問内容から、かつて栄光にあった貴族の没落や、地位は高くないが資産のある受領など、品という静的な区分から、品をまたがる動的な話題へと変わってゆく。夕顔 ... -
くまなげなる 隈なげなる くまなげなり 隈なげなり 02-028
暗いところのない、すべてを知りつくした、と解釈されているが、後の左馬頭の論に対して「隈なきもの言ひ/02-061」とあり、これと対比して使用されている。「げ」とあるので、一見そうだが、本当はそうでない、見かけ倒し、とのふくみを見逃してはならない... -
かくるることおほく 隠るること多く かくるることおおく かくるることおほし 隠るること多し かくるることおおし 02-026
欠点の隠れることが多くと通例解釈される。頭中将の前の発言から考えれば、欠点が隠れるとの解釈は的は外れていない。しかし、欠点が見えないこと(非消極的評価)は、後につづく「自然にそのけはひこよなかるべし」(積極的評価)とは結びつきが悪い。こ... -
いとさばかりならむあたりにはたれかすかされよりはべらむ いとさばかりならむあたりには誰れかすかされ寄りはべらむ さばかりなり さばかり すかされよる すかされ寄る 02-024
先の頭中将の論は、仲人に言いくるめられるので、実際に女と接しないと欠点は見えてこないというものであった。この論からすれば、取り柄がない女に誰も言い寄らないというのはおかしい。取り柄がなくても仲人に騙されるのだから。ただ、頭中将の頭の中で...