A:解釈を決定づける基幹語– tax –
-
しのびては 忍びては 01-058
我慢して。娘を失った内裏に孫をやりたくはないだろうが、そこは意を曲げての意味。帝の手紙を読んだ後の母君の回想に「かしこき仰せ言をたびたび承りながら、みづからはえなむ思ひたまへたつまじき(かしこき仰せ言を度たび承りながら、自身では参内を思... -
とひあはすべきひと といあわすべきひと 問ひ合はすべき人 問ひあはすべき人 問い合わすべき人 01-058
相談相手。桐壺更衣がいない心の穴をふせぐに足る人。もちろん、帝が連れてきてほしいと望む本当の狙いは光の君。本題はそちらだが、それが表立たないように以下は間接話法で伝える。 しばしは夢かとのみたどられしを やうやう思ひ静まるにしも 覚むべき... -
ためらひ たまらい 躊躇ふ 躊躇う 01-057
感情を抑制すること。「ため」た後に。はやる気持ちを押さえるの意。命婦は勅使であり、感情に走る母君とは別の立場にある。ここの場面は一種の性格喜劇となっていて、冷静な人と感情的な人とが、ついに折り合わず別れることになる。 参りては いとど心苦... -
ものおもうたまへしらぬ ものおもうたまえしらぬ もの思うたまへ知らぬ 01-057
「もの」は世情。自分の守備範囲にない点で「もの」と言い表されている。世情に疎い身ながら。「たまへ」は自分の動作「思ひ知らぬ」についているので謙譲語。謙譲語の「たまふ」は、会話文や手紙文で用いられ、地の文では用いない。そのため、丁寧語と考... -
ないしのすけそうしたまひしを ないしのすけそうしたまいしを 典侍の奏したまひしを 典侍の奏し給ひしを 01-057
省略されているが、すでに典侍が母君の元を訪れ、その時の模様を帝に報告している。その復命の言葉を命婦は聞いていたとの設定。省略は源氏物語の重要な技法のひとつ。あなたのような立派なお方が来られては「恥ずかしい」と言って、母君が距離を置こうと...