A:解釈を決定づける基幹語– tax –
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うるさし 煩し 02-101
ダブルミーニング。嫉妬心に対してはうるさい。染色や織りの技に対しては立派な。締めの言葉であり、係結びで「うるさし」が強調されている。通常の解釈のように、立派なだけであったら、左馬頭も別れを盾に一芝居打ったりしない。「あまりいと許しなく疑... -
さばかりにてありぬべく 然ばかりにてありぬべく ぬべし 02-101
まさにそのようにあるべきだ。「ばかり」は強調でまさにの意味である。あれくらいの意味ではない。「さ」がそれより前の文章、すなわち指を喰う女を受けるとすると、この女は理想的な女性であったことになり、「人の心の時にあたりて気色ばめらむ見る目の... -
たはぶれにくくなむおぼえはべりし 戯れにくくなむおぼえはべりし たはぶれにくくなむおぼえはべりし たはぶる たわぶる 戯る 02-100
冗談を言いにくしとの注釈があるが、冗談を言ったという話はここにない。ここは、本気で別れるつもりは毛頭無いのに、嫉妬心を治してやろう(「懲らさむの心」)とへたに芝居をうったことが「戯れ」であり、それを反省しているのである。なおまた、「あり... -
たづねまどはさむともかくれしのびず 尋ねまどはさむとも隠れ忍びず たづねまどわさむともかくれしのびず 尋ねまどわさむとも隠れ忍びず 02-100
「尋ねまどはさむ」は夫である左馬頭が尋ねあてることができずに困るようにさせること。左馬頭の前言「人の心を見知らぬやうに逃げ隠れて、人をまどはし、心を見むとする/02-067」に対応する表現。 さりとも 絶えて思ひ放つやうはあらじと思うたまへて ... -
とかくいひはべりし とかく言ひはべりし とかくいいはべりし とかく言いはべりし 02-100
あれやこれやを言う。何を言ったかは明言されていない。しかし、女の返答「あらためてのどかに思ひならば」とあるので、女に対して「のどか」でない状況が続いていたことがわかる。従って、復縁を迫るためにあれこれ言うという解釈は成り立たず、別れをち...