もの・物– tax –
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ものし 物し 01-096
邪魔で動かせないことから来るいらだちの感情。 いとすさまじうものしと聞こし召す このごろの御気色を見たてまつる上人女房などは かたはらいたしと聞きけり ひどく神経に障り不快だと帝はお感じになる。近頃帝のご様子を拝し申し上げる殿上人や女房た... -
もの 物 01-095
運命、動かしがたい事実。 風の音虫の音につけて もののみ悲しう思さるるに 弘徽殿には久しく上の御局にも参う上りたまはず 月のおもしろきに夜更くるまで 遊びをぞしたまふなる 風の音虫の音を聞くにつけて、帝はこの宿命のことばかりを悲しくお思い... -
かのおくりもの かの贈り物 01-090
桐壺更衣の形見の品である「御装束一領と御髪上げの調度めく物/01-078」。 かの贈り物御覧ぜさす 亡き人の住処尋ね出でたりけむ しるしの釵ならましかば と思ほすもいとかひなし 命婦は例の贈り物をご覧に入れた。亡くなった楊貴妃の住みかを尋ね当てた... -
ものし ものす 01-088
代動詞でさまざまな動詞の代わりをする。守るほどの意味。 故大納言の遺言あやまたず 宮仕への本意深くものしたりしよろこびは かひあるさまにとこそ思ひわたりつれ 言ふかひなしやと うちのたまはせて いとあはれに思しやる 故大納言の遺言をあやま... -
みぐしあげのてうどめくもの みぐしあげのちょうどめくもの 御髪上げの調度めく物 01-078
白楽天の「長恨歌」では、亡き楊貴妃の魂のありかを訪ねて道士が使わされるが、そこで楊貴妃の形見に金の釵(かんざし)を受け取る。それにならったもの。 をかしき御贈り物などあるべき折にもあらねば ただかの御形見にとて かかる用もやと残したまへり...