もの・物 01-002

「人」に対立する語で、めざましさそのもの(「めざましさ」が物象化して目の前に立ち現れたという感覚)。軽視の対象として物扱いされているとする注もある。異論はないが、現代人には日常感覚では生じない「もの」への感覚、動かせない、思い通りにな ...
ものこころぼそげに・物心細げに・もの心細げに/ものこころぼそげなり・物心細げなり・もの心細げなり 01-004

「もの」は「なんとなく」の意を添える接頭語的役割と注されることが一般的だが、「もの」は「人」と対立し、動かしがたさ、でんと居座るニュアンス。「心細げ」は、漠然とした不安ではなく、後見がないことに対する孤独感・将来不安。
朝 ...
あはれなるもの・あわれなるもの・あはれなる物・あわれなる物 01-004

愛玩物であると注されることが一般的だが、「あはれ」という言葉が物化してそこにあるというニュアンス、「あはれそのもの」。やはり意思疎通ができないという「もの」がもつ特性を有し、それゆえ「あかず」愛しさがつのる。
朝夕の宮仕へ ...
わたくしもの・私物 01-009

帝の息子たちは次期皇太子候補であり、国家の枢要を担う公的な存在である、帝であっても私物化できる対象ではない。よって、「私物(わたくしもの)」という表現には「私物(しぶつ)」とは異なる意味がなければならない。「私」「公」と対をなす。
ものはかなき・物はかなき・物儚き・ものはかなし・物はかなし・物儚し 01-014

幸の、寿命が短い運命。
かしこき御蔭をば頼みきこえながら 落としめ疵を求めたまふ人は多く わが身はか弱く ものはかなきありさまにて なかなかなるもの思ひをぞしたまふ
もったいないご加護をお頼み申し上げながら、お ...