吹きまよふ深山お 若紫05章19
原文 読み 意味
吹きまよふ深山おろしに夢さめて涙もよほす滝の音かな
05082/難易度:☆☆☆
ふき/まよふ/みやま/おろし/に/ゆめ/さめ/て/なみだ/もよほす/たき/の/おと/かな
《吹き荒れる深山おろしに煩悩の夢がさめて 涙をさそう滝の音だな》
吹きまよふ深山おろしに夢さめて涙もよほす滝の音かな
大構造と係り受け
古語探訪
吹きまよふ 05082
深山おろしに直接かかるが、「迷ふ」は「夢=煩悩」の縁語であり、これにも響き合う気がする。
深山 05082
尼君の歌の「深山の苔」を意識する。
夢 05082
光の前言である「尋ねきこえまほしき夢を見たまへしかな」とその折りの僧都の返答「うちつけなる御夢物語」を受ける。光の歌は懺悔になっている点に注意したい。