四十余ばかりにてい 若紫02章04
原文 読み 意味
四十余ばかりにて いと白うあてに 痩せたれど つらつきふくらかに まみのほど 髪のうつくしげにそがれたる末も なかなか長きよりもこよなう今めかしきものかなと あはれに見たまふ
05027/難易度:☆☆☆
しじふよ/ばかり/にて いと/しろう/あて/に やせ/たれ/ど つらつき/ふくらか/に まみ/の/ほど かみ/の/うつくしげ/に/そがれ/たる/すゑ/も なかなか/ながき/より/も/こよなう/いまめかしき/もの/かな/と あはれ/に/み/たまふ
四十過ぎくらいで、とても色白で気品があり、ほっそりしていながら顔立ちはふっくらで、目元のあたりなど、それに髪の美しそうに切りそろえている端にしてもかえって長い状態よりも比べられぬほど今風な感じがはっきり伝わり、好意をもってご覧になる。
四十余ばかりにて いと白うあてに 痩せたれど つらつきふくらかに まみのほど 髪のうつくしげにそがれたる末も なかなか長きよりもこよなう今めかしきものかなと あはれに見たまふ
大構造と係り受け
古語探訪
あてに 05027
高貴に痩せているの意味ではない、「あてなり」の中止法。「まみのほど」は「あはれに見たまふ」にかかる。1「いと白」2「あてに」3「痩せたれどつらつきふくらかに」4「まみのほど」5「髪の……かな(と)」の五つが並列して、「あはれに見たまふ」にかかる。 「あはれ」は異性としての関心をもって。