宮へ渡らせたまふべ 若紫14章09

2021-05-10

原文 読み 意味

宮へ渡らせたまふべかなるを そのさきに聞こえ置かむとてなむ とのたまへば 何ごとにかはべらむ いかにはかばかしき御答へ聞こえさせたまはむ とて うち笑ひてゐたり

05230/難易度:☆☆☆

みや/へ/わたら/せ/たまふ/べか/なる/を その/さき/に/きこエ/おか/む/とて/なむ と/のたまへ/ば なにごと/に/か/はべら/む いかに/はかばかしき/おほむ-いらへ/きこエ/させ/たまは/む とて うち-わらひ/て/ゐ/たり

「宮のもとへお移りになるとのことですので、その前に伝えておこうと思って」とおっしゃるので、「どういうお話でしょうか。さぞかし色よいご返答をお聞かせになることでしょう」と、つい面白がりながら控えている。

宮へ渡らせたまふべかなるを そのさきに聞こえ置かむとてなむ とのたまへば 何ごとにかはべらむ いかにはかばかしき御答へ聞こえさせたまはむ とて うち笑ひてゐたり

大構造と係り受け

古語探訪

べかなる 05230

推量+伝聞。

はかばかしき 05230

仕事などが期待通りにすすむこと。はきはきの訳が通常与えられているが、光の望む返事が聞けるだろうという意味である、しっかりした、ちゃんとした、いい返事という意味である。

うち笑ひ 05230

ここでは皮肉を言って笑うこと。

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