聖御土器賜はりて  若紫06章06

2021-05-13

原文 読み 意味

聖 御土器賜はりて
 奥山の松のとぼそをまれに開けてまだ見ぬ花の顔を見るかな
と うち泣きて見たてまつる

05092/難易度:☆☆☆

ひじり おほむ-かはらけ/たまはり/て
 おくやま/の/まつ/の/とぼそ/を/まれ/に/あけ/て/まだ/み/ぬ/はな/の/かほ/を/みる/かな
と うち-なき/て/み/たてまつる

聖は、別れのお盃をいただいて、
《ふだん閉じこもっている奥山の松の戸をまれに開けてみると 見たこともない美しい花の顔を拝見するものだな》
と、つい涙を流して君を拝み申し上げる。

聖 御土器賜はりて
 奥山の松のとぼそをまれに開けてまだ見ぬ花の顔を見るかな
と うち泣きて見たてまつる

大構造と係り受け

古語探訪

聖御土器賜はり 05092

聖が盃をいただくとの意味。聖が光に盃を与えるではない。「土器」は、 素焼きの陶器のさかずき。

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