こなたは住みたまは 若紫15章04
原文 読み 意味
こなたは住みたまはぬ対なれば 御帳などもなかりけり 惟光召して 御帳 御屏風など あたりあたり仕立てさせたまふ
05242/難易度:☆☆☆
こなた/は/すみ/たまは/ぬ/たい/なれ/ば みちやう/など/も/なかり/けり これみつ/めし/て みちやう みびやうぶ/など あたり/あたり/したて/させ/たまふ
こちらの方はお住みになっていない対だから、御帳などもなかった。惟光を召して、御帳、御屏風など、そのところそのところに整えさせになる。
こなたは住みたまはぬ対なれば 御帳などもなかりけり 惟光召して 御帳 御屏風など あたりあたり仕立てさせたまふ
大構造と係り受け
古語探訪
こなた 05242
「このかた」の変化したもの。西の対を指す。「御帳」は、あとで屏風と並列されているところからすると、御帳台(御座の周囲に垂らす帳)でなく、御簾(みす)、すなわち、廂の間と母屋をへだてる帳(とばり)であろう。