うちつけにあさはか 若紫05章12
目次
原文 読み 意味
うちつけに あさはかなりと 御覧ぜられぬべきついでなれど 心にはさもおぼえはべらねば 仏はおのづから とて おとなおとなしう 恥づかしげなるにつつまれて とみにもえうち出でたまはず
05075/難易度:☆☆☆
うちつけ/に あさはか/なり/と ごらんぜ/られ/ぬ/べき/ついで/なれ/ど こころ/に/は/さも/おぼエ/はべら/ね/ば ほとけ/は/おのづから とて おとなおとなしう はづかしげ/なる/に/つつま/れ/て とみ/に/も/え/うち-いで/たまは/ず
「突然のことで、軽率であるときっとお感じになられるであろう、この時期ですが、心の中にはそのようにも思っておりませんので、仏は自然とおわかりのことと」と言ったものの、尼君のいかにも落ち着いた立派な態度に気おくれしそれ以上は言いはばかれて、すぐにはなんとも言葉がお出にならない。
うちつけに あさはかなりと 御覧ぜられぬべきついでなれど 心にはさもおぼえはべらねば 仏はおのづから とて おとなおとなしう 恥づかしげなるにつつまれて とみにもえうち出でたまはず
大構造と係り受け
古語探訪
うちつけ 05075
手紙など前もっての準備なくいきなり。
あさはか 05075
軽はずみ。
仏はおのづから 05075
仏はしぜんとおわかりになろうくらいの意味。
おとなおとなしう恥づかしげなる 05075
光に相対する尼君の態度。「おとなおとなしう」は落ち着いて物怖じしない態度。
つつまれて 05075
気が引けて、遠慮されて。