やうやう人参り集り 若紫16章12

2021-05-10

原文 読み 意味

やうやう人参り集りぬ 御遊びがたきの童女 児ども いとめづらかに今めかしき御ありさまどもなれば 思ふことなくて遊びあへり

05268/難易度:☆☆☆

やうやう/ひと/まゐり/あつまり/ぬ おほむ-あそびがたき/の/わらはべ ちご-ども いと/めづらか/に/いまめかしき/おほむ-ありさま-ども/なれ/ば おもふ/こと/なく/て/あそび/あへ/り

ようやく女房たちが参内しこちらの対も人が集まった。御遊び仲間の女童や幼い子供たちは、お二人がありえないほど今風のお人柄なので、屈託なく遊びあった。

やうやう人参り集りぬ 御遊びがたきの童女 児ども いとめづらかに今めかしき御ありさまどもなれば 思ふことなくて遊びあへり

大構造と係り受け

古語探訪

いとめづらかに今めかしき御ありさまども 05268

なかなか理解しにくいところ。音便形は例により、連用修飾と考え「いまめかしき」にかける。「いまめかしき御ありさま」とは、今風で堅苦しくない、フラットな性格を指す。だから、女童や子供たちが、大人の光を前にしても無心で遊べるのである。「御ありさまども」は複数形で敬語があることから、光と紫のこと。この場合は、性格の意味だが、見た目にそうした性格に見えるということであろう。

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