君は何心もなく寝た 若紫14章12
原文 読み 意味
君は何心もなく寝たまへるを 抱きおどろかしたまふに おどろきて 宮の御迎へにおはしたると 寝おびれて思したり
05233/難易度:☆☆☆
きみ/は/なにごころ/も/なく/ね/たまへ/る/を いだき/おどろかし/たまふ/に おどろき/て みや/の/おほむ-むかへ/に/おはし/たる/と ねおびれ/て/おぼし/たり
君は何の用心もなく寝ておられる姫君を、抱き起こしになると、目を覚まし、父宮がお迎えにいらっしゃったと、寝とぼけてお考えになる。
君は何心もなく寝たまへるを 抱きおどろかしたまふに おどろきて 宮の御迎へにおはしたると 寝おびれて思したり
大構造と係り受け
古語探訪
何心もなく 05233
何も知らずにと訳されているが、何かを知る必要のある場面ではない。男が寝所に入ってきたことを知らずにいることに対する、話者の評である。こういうところからも、まだ紫は恋愛をする年齢ではないことが知られる。
寝おびれて 05233
本来怖い夢にうなされることだが、ここは単に寝ぼけての意味。