女君例のしぶしぶに 若紫14章04
原文 読み 意味
女君 例のしぶしぶに 心もとけずものしたまふ
05225/難易度:☆☆☆
をむなぎみ れい/の/しぶしぶ/に こころ/も/とけ/ず/ものし/たまふ
葵の君は、例のごとく、しぶしぶ心許すことなく、君のもとにお出でになる。
女君 例のしぶしぶに 心もとけずものしたまふ
大構造と係り受け
古語探訪
女君例のしぶしぶに心もとけずものしたまふ 05225
直前に「夜深う出でたまふ」とあるからは、葵は深夜に光のもとにいたのである。プライドの高い葵であっても、子孫を残すことが至上命令である。しぶしぶながら、ベッド・メイキングしに来たわけだ。しかし、その気持ちを光は踏みにじる。その罪は大きい。もちろん、この世、葵との間に性交渉があったと読むことはできるが、おそらくなかったであろうと想像する。特に根拠があるではないが、葵のプライドを傷つけるように物語りは動いているからである。