いとすごげに荒れた 若紫11章07
原文 読み 意味
いとすごげに荒れたる所の 人少ななるに いかに幼き人恐ろしからむと見ゆ
05182/難易度:☆☆☆
いと/すごげ/に/あれ/たる/ところ/の ひと/ずくな/なる/に いかに/をさなき/ひと/おそろしから/む/と/みゆ
ぞっとするような荒れた邸で、人気もない場所に、どんなに幼い人は恐ろし思いでいられようとお感じになる。
いとすごげに荒れたる所の 人少ななるに いかに幼き人恐ろしからむと見ゆ
大構造と係り受け
古語探訪
いとすごげに荒れたる所 05182
「いとすごげに」は中止法で「ところ」にかかるとも、連用法で「荒れたる」にかかるとも取れる。前者の解釈として、『注釈』は、「忌」を終えた家に特有の、霊気の漂う寂寞とした様子とするが、忌を明かすのはこの家ではないので、霊気云々は当たらないだろう。ただ、死者を出した家特有のものすごさという解釈は特筆されてよいと思う。気味の悪さに、死のにおいが混じった感じであるのだろう。