いと近ければ心細げ 若紫10章11
原文 読み 意味
いと近ければ 心細げなる御声絶え絶え聞こえて いと かたじけなきわざにもはべるかな この君だに かしこまりも聞こえたまつべきほどならましかば とのたまふ
05167/難易度:☆☆☆
いと/ちかけれ/ば こころぼそげ/なる/おほむ-こゑ/たエだエ/きこエ/て いと かたじけなき/わざ/に/も/はべる/かな この/きみ/だに かしこまり/も/きこエ/たま/つ/べき/ほど/なら/ましか/ば と/のたまふ
とても近いので、尼君の心細そうなお声が途絶え途絶えに聞こえて来る、「まったくかたじけないお見舞いですこと、この姫君がせめて、お礼でも申し上げになれる年齢であればよいのに」とおっしゃる。
いと近ければ 心細げなる御声絶え絶え聞こえて いと かたじけなきわざにもはべるかな この君だに かしこまりも聞こえたまつべきほどならましかば とのたまふ
大構造と係り受け
古語探訪
いと近ければ 05167
狭い場所なので、尼君の声が取次なしにすぐ聞こえること。次の尼君の言葉は、光への言葉ではなく、女房たちにむかって洩らした言葉である。
この君だに 05167
紫。
かしこまり 05167
お礼。