言葉多かる人にてつ 若紫08章12
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原文 読み 意味
言葉多かる人にて つきづきしう言ひ続くれど いとわりなき御ほどを いかに思すにか と ゆゆしうなむ 誰も誰も思しける
05132/難易度:☆☆☆
ことば/おほかる/ひと/にて つきづきしう/いひ/つづくれ/ど いと/わりなき/おほむ-ほど/を いかに/おぼす/に/か/と ゆゆしう/なむ たれ/も/たれ/も/おぼし/ける
惟光は口達者な人で、言葉巧みに言いつづけるのだが、まったく話にならない年のゆかなさを君はどうお思いなのかと、この申し出は女君にとってゆゆしきものと、誰もがそうお考えになる。
言葉多かる人にて つきづきしう言ひ続くれど いとわりなき御ほどを いかに思すにか と ゆゆしうなむ 誰も誰も思しける
大構造と係り受け
古語探訪
わりなき 05132
道理にあわない。
御ほど 05132
年齢。
御 05132
紫に対する話者(この場合、尼君をはじめとする女房たち)からの敬意。
思す 05132
話相手である惟光ではなく、もちろん当事者たる光。
ゆゆしう 05132
幼すぎる結婚が紫のためにけっしてならないという気持ち。
誰も誰も思しける 05132
先にも説明した通り。惟光の話相手は、尼君ほか女房たちである。