簾すこし上げて花た 若紫02章03

2021-04-28

原文 読み 意味

簾すこし上げて 花たてまつるめり 中の柱に寄りゐて 脇息の上に経を置きて いとなやましげに読みゐたる尼君 ただ人と見えず

05026/難易度:☆☆☆

すだれ/すこし/あげ/て はな/たてまつる/めり なか/の/はしら/に/より/ゐ/て けふそく/の/うへ/に/きやう/を/おき/て いと/なやましげ/に/よみ/ゐ/たる/あまぎみ ただびと/と/みエ/ず

簾をすこし上げて、花をお供えしているようである。中央の柱に寄りかかって座り、脇息の上にお経を置いて、とても大儀そうに読経している、その尼君の姿は、そこらの身分の人には見えない。

簾すこし上げて 花たてまつるめり 中の柱に寄りゐて 脇息の上に経を置きて いとなやましげに読みゐたる尼君 ただ人と見えず

大構造と係り受け

古語探訪

いとなやましげに読みゐたる尼君ただ人と見えず 05026

「尼君」に対しても、非制限用法とみるのがよい。普通でないと見たのは、尼君に対してであって、読経をしている尼君に対してではないから。つまり、読経してなくても、普通でないと光は考えたであろう。その時、たまたま読経していたということが挿入されているのだ。

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