いみじうつつみたま 若紫09章21
原文 読み 意味
いみじうつつみたまへど 忍びがたき気色の漏り出づる折々 宮も さすがなる事どもを多く思し続けけり
05156/難易度:☆☆☆
いみじう/つつみ/たまへ/ど しのび/がたき/けしき/の/もり/いづる/をりをり みや/も さすが/なる/こと-ども/を/おほく/おぼし/つづけ/けり
君は恐れ多くてひどくお隠しではあるが、こらえ難い思いをつい漏らしてしまう折々があり、これには、藤壺の宮も、さすがに無下にできない君の好意の数々をいろいろと思いつづけになった。
いみじうつつみたまへど 忍びがたき気色の漏り出づる折々 宮も さすがなる事どもを多く思し続けけり
大構造と係り受け
古語探訪
忍びがたき気色の漏り出づる折々 05156
光がつい思いを藤壺に示したこと。もちろん、宮中で帝抜で二人が会うことはできないから、当然目の前に帝がいるのである。表立って気持ちを表現できはしない。
さすがなる 05156
それでもなかなか強くという意味。現代語の「さすがだ」につながる語であるから、程度が強いことを理解したい。光に強く引かれているのである。