わざとかう御文ある 若紫08章10
原文 読み 意味
わざと かう御文あるを 僧都もかしこまり聞こえたまふ
05130/難易度:☆☆☆
わざと かう/おほむ-ふみ/ある/を そうづ/も/かしこまり/きこエ/たまふ
わざわざそうした少納言との面会の旨のお手紙があるので、僧都も恐縮してお聞き入れになる。
わざと かう御文あるを 僧都もかしこまり聞こえたまふ
大構造と係り受け
古語探訪
かう御文ある 05130
内容は、少納言の乳母に惟光が会うことを許可してほしいとの僧都への依頼文。僧都に依頼するのは、尼君たちは僧都のもとに身を寄せており、僧都がこの家の主であるからだ。
聞こえたまふ 05130
僧都が聞き入れたこと。少納言に申し入れたのではない。それは少納言の乳母に「聞こえ」という謙譲語を使うのはおかしいからだ。