聖御土器賜はりて 若紫06章06
原文 読み 意味
聖 御土器賜はりて
奥山の松のとぼそをまれに開けてまだ見ぬ花の顔を見るかな
と うち泣きて見たてまつる
05092/難易度:☆☆☆
ひじり おほむ-かはらけ/たまはり/て
おくやま/の/まつ/の/とぼそ/を/まれ/に/あけ/て/まだ/み/ぬ/はな/の/かほ/を/みる/かな
と うち-なき/て/み/たてまつる
聖は、別れのお盃をいただいて、
《ふだん閉じこもっている奥山の松の戸をまれに開けてみると 見たこともない美しい花の顔を拝見するものだな》
と、つい涙を流して君を拝み申し上げる。
聖 御土器賜はりて
奥山の松のとぼそをまれに開けてまだ見ぬ花の顔を見るかな
と うち泣きて見たてまつる
大構造と係り受け
古語探訪
聖御土器賜はり 05092
聖が盃をいただくとの意味。聖が光に盃を与えるではない。「土器」は、 素焼きの陶器のさかずき。