さらばかの人の御子 若紫06章21
原文 読み 意味
さらば かの人の御子になりておはしませよ と聞こゆれば うちうなづきて いとようありなむ と思したり
050107/難易度:☆☆☆
さらば かの/ひと/の/みこ/に/なり/て/おはしませ/よ と/きこゆれ/ば うち-うなづき/て いと/よう/あり/な/む と/おぼし/たり
「それなら、あのお方のお子におなりあそばさしな」と女房が申し上げると、こくりとうなずいて、そうなればとてもいいことだろうなとお考えになる。
さらば かの人の御子になりておはしませよ と聞こゆれば うちうなづきて いとようありなむ と思したり
大構造と係り受け
古語探訪
いとようありなむ 05107
源氏の子供になればという女房の勧めに対する答え。「いとよからむ」が直接的な答えであるのに対して、間接的で現実性の乏しさがある答え。その分、少女の夢見心地な気分が表れている感じがする。