清げなる大人二人ば 若紫02章05
目次
原文 読み 意味
清げなる大人二人ばかり さては童女ぞ出で入り遊ぶ 中に十ばかりやあらむと見えて 白き衣 山吹などの萎えたる着て 走り来たる女子 あまた見えつる子どもに似るべうもあらず いみじく生ひさき見えて うつくしげなる容貌なり
05028/難易度:☆☆☆
きよげ/なる/おとな/ふたり/ばかり さては/わらはべ/ぞ/いで/いり/あそぶ なか/に/とを/ばかり/や/あら/む/と/みエ/て しろき/きぬ やまぶき/など/の/なエ/たる/き/て はしり/き/たる/をむなご あまた/みエ/つる/こども/に/にる/べう/も/あら/ず いみじく/おひさき/みエ/て うつくしげ/なる/かたち/なり
清らかな感じのする女房がふたりくらい、それから童女が出たり入ったりして遊ぶ。その中に、十歳くらいかと見え、白い単(ひとえ)の下着に山吹襲などの着馴れた上着を着て走って来た女の子は、他のたくさん見えた子供たちに似るべくもなく今からたいそう将来がたのしみに思われ、愛らしい容貌をしている。
清げなる大人二人ばかり さては童女ぞ出で入り遊ぶ 中に十ばかりやあらむと見えて 白き衣 山吹などの萎えたる着て 走り来たる女子 あまた見えつる子どもに似るべうもあらず いみじく生ひさき見えて うつくしげなる容貌なり
大構造と係り受け
古語探訪
大人 05028
年配の女房。
衣 05028
単ものの下着。
山吹 05028
表が薄朽葉色で、裏が黄色である山吹襲。
女子 05028
いよいよ将来の紫の上の登場。