髪ゆるるかにいと長 若紫02章10

2021-04-28

原文 読み 意味

髪ゆるるかにいと長く めやすき人なめり 少納言の乳母とこそ人言ふめるは この子の後見なるべし

05033/難易度:☆☆☆

かみ/ゆるるか/に/いと/ながく めやすき/ひと/な/めり せうなごん/の/めのと/と/こそ/ひと/いふ/める/は この/こ/の/うしろみ/なる/べし

髪がふんわりととても長く、顔も見よい女のようだ。少納言の乳母と人が言っているようだから、この子の世話役なのだろう。

髪ゆるるかにいと長く めやすき人なめり 少納言の乳母とこそ人言ふめるは この子の後見なるべし

大構造と係り受け

古語探訪

めやすき人なめり 05033

「めり」は判断が断定できない推測であることを表す表現だから、光は女房の後姿(特に髪)だけ見て、顔もいいだろうなと判断したことがわかる。

少納言の乳母とこそ人言ふめるはこの子の後見なるべし 05033

「AはBなるべし」は一種の固定表現。Aが判断理由で、Bに判断が入る。例えば、「右近の司の宿直奏の声聞こゆるは、丑になりぬるなるべし」で、丑の刻だと判断した理由が、右近の司の宿直申しの声が聞こえることなのである。ここも、人々が少納言の乳母と言っているようだから、この子の世話役だろうと光は判断したのである。

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