君は二三日内裏へも 若紫16章01
目次
原文 読み 意味
君は 二 三日 内裏へも参りたまはで この人をなつけ語らひきこえたまふ やがて本にと思すにや 手習 絵などさまざまに書きつつ 見せたてまつりたまふ いみじうをかしげに書き集めたまへり
05257/難易度:☆☆☆
きみ/は に さむにち うち/へ/も/まゐり/たまは/で この/ひと/を/なつけ/かたらひ/きこエ/たまふ やがて/ほん/に/と/おぼす/に/や てならひ ゑ/など/さまざま/に/かき/つつ みせ/たてまつり/たまふ いみじう/をかしげ/に/かき/あつめ/たまへ/り
君は二三日内裏へも参上なさらないで、この人の気持ちをひきつけ、あれこれ語りかけ申し上げになる。そのまま手本にでもとのお考えなのか、手習いや絵などいろいろな手法で書きながらお見せ申し上げになる。とても興味深いそうに書き溜められた。
君は 二 三日 内裏へも参りたまはで この人をなつけ語らひきこえたまふ やがて本にと思すにや 手習 絵などさまざまに書きつつ 見せたてまつりたまふ いみじうをかしげに書き集めたまへり
大構造と係り受け
古語探訪
やがて本にと思すにや 05257
紫の気をひきつける(「なつけ」)ために書いた書や絵を、そのまま紫の手本として使う意志もあったのだろうの意味。
さまざまに 05257
量の多さではなく、変化の度合いを示す。いろいろな書き方で。
書きつつ見せたてまつり 05257
書いては見せ、書いては見せとも取れるが、それだと書いている間は見せていいないように受け取れる。ここは、書きながら筆の運び方なども見習わせながら、書き上がったものも鑑賞させるの意味であろう。
書き集め 05257
書きためること。