やうやう起きゐて見 若紫15章16
原文 読み 意味
やうやう起きゐて見たまふに 鈍色のこまやかなるが うち萎えたるどもを着て 何心なくうち笑みなどしてゐたまへるが いとうつくしきに 我もうち笑まれて見たまふ
05254/難易度:☆☆☆
やうやう/おき/ゐ/て/み/たまふ/に にびいろ/の/こまやか/なる/が うち-なエ/たる-ども/を/き/て なにごころなく/うち-ゑみ/など/し/て/ゐ/たまへ/る/が いと/うつくしき/に われ/も/うち-ゑま/れ/て/み/たまふ
女君はようやく起き直ってご覧になるが、喪を示す鈍色の濃い服がすこし着古したものなどを着て、何の屈託なくつい笑ったりしていらっしゃる姿がとてもかわいらしくて、君自身もつい顔をほころばせながらご覧になっている。
やうやう起きゐて見たまふに 鈍色のこまやかなるが うち萎えたるどもを着て 何心なくうち笑みなどしてゐたまへるが いとうつくしきに 我もうち笑まれて見たまふ
大構造と係り受け
古語探訪
鈍色 05254
喪服の色。
こまやかなる 05254
色が濃いこと。
何心なく 05254
屈託なく。大人の女性なら、他人の目を意識して行動するものだが、そうした用心なしにということ。