二条院は近ければま 若紫15章01

2021-05-10

原文 読み 意味

二条院は近ければ まだ明うもならぬほどにおはして 西の対に御車寄せて下りたまふ 若君をば いと軽らかにかき抱きて下ろしたまふ

05239/難易度:☆☆☆

にでうのゐん/は/ちかけれ/ば まだ/あかう/も/なら/ぬ/ほど/に/おはし/て にしのたい/に/みくるま/よせ/て/おり/たまふ わかぎみ/を/ば いと/かろらか/に/かき-いだき/て/おろし/たまふ

二条院は、近いのためまだ明るくもならないうちにお戻りになられ、西の対にお車をつけて、お降りになる。女君に対しては、とても軽々と掻き抱いてお下ろしになる。

二条院は近ければ まだ明うもならぬほどにおはして 西の対に御車寄せて下りたまふ 若君をば いと軽らかにかき抱きて下ろしたまふ

大構造と係り受け

古語探訪

二条院は近ければ 05239

近いために時間がかからず、明るくなる前に戻ったということ。近いから二条院にしたのではない。

君をば 05239

「をば」は、「かき抱きて」に対する目的ではあるが、この場合、光は自分で車を降りたが、紫に対してはどうしたかと言うと抱いて下ろしたのだという、対比の意味合いがこもる。

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