二条院は近ければま 若紫15章01
原文 読み 意味
二条院は近ければ まだ明うもならぬほどにおはして 西の対に御車寄せて下りたまふ 若君をば いと軽らかにかき抱きて下ろしたまふ
05239/難易度:☆☆☆
にでうのゐん/は/ちかけれ/ば まだ/あかう/も/なら/ぬ/ほど/に/おはし/て にしのたい/に/みくるま/よせ/て/おり/たまふ わかぎみ/を/ば いと/かろらか/に/かき-いだき/て/おろし/たまふ
二条院は、近いのためまだ明るくもならないうちにお戻りになられ、西の対にお車をつけて、お降りになる。女君に対しては、とても軽々と掻き抱いてお下ろしになる。
二条院は近ければ まだ明うもならぬほどにおはして 西の対に御車寄せて下りたまふ 若君をば いと軽らかにかき抱きて下ろしたまふ
大構造と係り受け
古語探訪
二条院は近ければ 05239
近いために時間がかからず、明るくなる前に戻ったということ。近いから二条院にしたのではない。
君をば 05239
「をば」は、「かき抱きて」に対する目的ではあるが、この場合、光は自分で車を降りたが、紫に対してはどうしたかと言うと抱いて下ろしたのだという、対比の意味合いがこもる。