宮へ渡らせたまふべ 若紫14章09
原文 読み 意味
宮へ渡らせたまふべかなるを そのさきに聞こえ置かむとてなむ とのたまへば 何ごとにかはべらむ いかにはかばかしき御答へ聞こえさせたまはむ とて うち笑ひてゐたり
05230/難易度:☆☆☆
みや/へ/わたら/せ/たまふ/べか/なる/を その/さき/に/きこエ/おか/む/とて/なむ と/のたまへ/ば なにごと/に/か/はべら/む いかに/はかばかしき/おほむ-いらへ/きこエ/させ/たまは/む とて うち-わらひ/て/ゐ/たり
「宮のもとへお移りになるとのことですので、その前に伝えておこうと思って」とおっしゃるので、「どういうお話でしょうか。さぞかし色よいご返答をお聞かせになることでしょう」と、つい面白がりながら控えている。
宮へ渡らせたまふべかなるを そのさきに聞こえ置かむとてなむ とのたまへば 何ごとにかはべらむ いかにはかばかしき御答へ聞こえさせたまはむ とて うち笑ひてゐたり
大構造と係り受け
古語探訪
べかなる 05230
推量+伝聞。
はかばかしき 05230
仕事などが期待通りにすすむこと。はきはきの訳が通常与えられているが、光の望む返事が聞けるだろうという意味である、しっかりした、ちゃんとした、いい返事という意味である。
うち笑ひ 05230
ここでは皮肉を言って笑うこと。