女君例のしぶしぶに 若紫14章04

2021-05-10

原文 読み 意味

女君 例のしぶしぶに 心もとけずものしたまふ

05225/難易度:☆☆☆

をむなぎみ れい/の/しぶしぶ/に こころ/も/とけ/ず/ものし/たまふ

葵の君は、例のごとく、しぶしぶ心許すことなく、君のもとにお出でになる。

女君 例のしぶしぶに 心もとけずものしたまふ

大構造と係り受け

古語探訪

女君例のしぶしぶに心もとけずものしたまふ 05225

直前に「夜深う出でたまふ」とあるからは、葵は深夜に光のもとにいたのである。プライドの高い葵であっても、子孫を残すことが至上命令である。しぶしぶながら、ベッド・メイキングしに来たわけだ。しかし、その気持ちを光は踏みにじる。その罪は大きい。もちろん、この世、葵との間に性交渉があったと読むことはできるが、おそらくなかったであろうと想像する。特に根拠があるではないが、葵のプライドを傷つけるように物語りは動いているからである。

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