君入りたまへばいと 若紫14章10
原文 読み 意味
君 入りたまへば いとかたはらいたく うちとけて あやしき古人どものはべるに と聞こえさす
05231/難易度:☆☆☆
きみ いり/たまへ/ば いと/かたはらいたく うち-とけ/て あやしき/ふるびと-ども/の/はべる/に と/きこエさす
君が妻戸からお入りになると、女房はとても決まり悪くて、「気を許し、みっともないなりをした古女房たちがいますのに」とおとがめ申し上げる。
君 入りたまへば いとかたはらいたく うちとけて あやしき古人どものはべるに と聞こえさす
大構造と係り受け
古語探訪
君入りたまへば 05231
妻戸より廂の間(妻戸の間とも)に入ったこと。そこでは側仕えの女房たちが控えている。
いとかたはらいたく 05231
少納言と考えられているが、さぞかし色よいご返事が聞けることでしょうと皮肉を言った少納言は、中に入ってきても驚かない。というより、光が来た限りは、夫(あるいは後見)として中へ入ってゆくことはわかっている。ここは、少納言以外の女房であろう。