君の御もとよりは惟 若紫13章09
目次
原文 読み 意味
君の御もとよりは 惟光をたてまつれたまへり 参り来べきを 内裏より召あればなむ 心苦しう見たてまつりしも しづ心なく とて 宿直人たてまつれたまへり
05216/難易度:☆☆☆
きみ/の/おほむ-もと/より/は これみつ/を/たてまつれ/たまへ/り まゐり/く/べき/を うち/より/めし/あれ/ば/なむ こころぐるしう/み/たてまつり/し/も しづごころ/なく とて とのゐびと/たてまつれ/たまへ/り
君のところからは、惟光を使者にお立てになることにした。わたくし自ら参上すべきですが、内裏から召しがありましたので。気が気でなく拝見しましたことも、心を波立たせるばかりで、という思いで、惟光を宿直人としておやりになった。
君の御もとよりは 惟光をたてまつれたまへり 参り来べきを 内裏より召あればなむ 心苦しう見たてまつりしも しづ心なく とて 宿直人たてまつれたまへり
大構造と係り受け
古語探訪
惟光をたてまつりたまへり 05216
「宿直人たてまつれたまへり」は同じことを繰り返している。と言うより、はじめに大まかに説明し、次に詳細に説明する二段表現と考えればよい。
参り来べきを……しづ心なく 05216
惟光を通して先方に伝えさせた光の言葉。
も 05216
前回会ったときの心配があるのでなおさら、心配で自分で向かいたいのである。
しづ心なく 05216
気持ちが落ち着かない様子。