御文はたびたびたて 若紫13章13
原文 読み 意味
御文はたびたびたてまつれたまふ 暮るれば 例の大夫をぞたてまつれたまふ 障はる事どものありて え参り来ぬを おろかにや などあり
05220/難易度:☆☆☆
おほむ-ふみ/は/たびたび/たてまつれ/たまふ くるれ/ば れい/の/たいふ/を/ぞ/たてまつれ/たまふ さはる/こと-ども/の/あり/て え/まゐり/こ/ぬ/を おろか/に/や など/あり
お手紙は度々お遣わせになる。暮れると、例の大夫をお遣わせになる。「差し障る用事があって、参上できないことを、不実であろうか」などと報告がある。
御文はたびたびたてまつれたまふ 暮るれば 例の大夫をぞたてまつれたまふ 障はる事どものありて え参り来ぬを おろかにや などあり
大構造と係り受け
古語探訪
たてまつれたまふ 05220
「れたまふ」という二重敬語ではもちろんない。「たてまつる」には、四段活用と下二段活用がある。前者に「たまふ」「れたまふ」をつけると、「たてまつりたまふ」「たてまつられたまふ」となる。後者は前者の使役形とされている。手紙や使者を相手に送るという意味の謙譲語。
おろか 05220
おろそかの意味。相手への誠意がたりない。
などあり 05220
光の手紙の文句のなかにある、あるいは、使者の挨拶として惟光が光の言葉を伝えた中にあるという意味。