日高う大殿籠もり起 若紫12章16

2021-05-09

原文 読み 意味

日高う大殿籠もり起きて 文やりたまふに 書くべき言葉も例ならねば 筆うち置きつつすさびゐたまへり をかしき絵などをやりたまふ

05207/難易度:☆☆☆

ひ/たかう/おほとのごもり/おき/て ふみ/やり/たまふ/に かく/べき/ことば/も/れい/なら/ね/ば ふで/うち-おき/つつ/すさび/ゐ/たまへ/り をかしき/ゑ/など/を/やり/たまふ

日が高くなってから寝所から起き出され、手紙をお出しになるが、後朝の歌として当然書くべき言葉もふつうの場合とは違うので、筆をつい置いては興にまかせてお書き続けになる。興味をひくような絵などをお送りになる。

日高う大殿籠もり起きて 文やりたまふに 書くべき言葉も例ならねば 筆うち置きつつすさびゐたまへり をかしき絵などをやりたまふ

大構造と係り受け

古語探訪

書くべき言葉も例ならねば 05207

普通は後朝の歌を贈るところであるが、紫とはそういう関係でなく、大人の歌もふさわしくないので、言葉に窮しているのだ。

すさび 05207

興にまかせてすること。あまり真剣でなく興味本位である。

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