あはれのことやとぶ 若紫10章06
原文 読み 意味
あはれのことや とぶらふべかりけるを などか さなむとものせざりし 入りて消息せよ とのたまへば 人入れて案内せさす
05162/難易度:☆☆☆
あはれ/の/こと/や とぶらふ/べかり/ける/を などか さ/なむ/と/ものせ/ざり/し いり/て/せうそこ/せ/よ と/のたまへ/ば ひと/いれ/て/あない/せ/さす
「かわいそうなことだな、わたしも見舞うべきであったのに。どうして、しかじかのことがあったと言って寄越さなかったのか。入って行って取次ぎをせよ」とおっしゃるので、使者を立てて案内させる。
あはれのことや とぶらふべかりけるを などか さなむとものせざりし 入りて消息せよ とのたまへば 人入れて案内せさす
大構造と係り受け
古語探訪
あはれのことや 05162
病気で「何ごともおぼえず」という状態になっていることに対する慰謝と哀惜の念。
さなむ 05162
尼君の容態がそんなにも重いこと。