かく言ふは播磨守の 若紫01章16
目次
原文 読み 意味
かく言ふは 播磨守の子の 蔵人より 今年 かうぶり得たるなりけり いと好きたる者なれば かの入道の遺言破りつべき心はあらむかし さて たたずみ寄るならむ と言ひあへり
05016/難易度:☆☆☆
かく/いふ/は はりまのかみ/の/こ/の くらうど/より ことし かうぶり/え/たる/なり/けり いと/すき/たる/もの/なれ/ば かの/にふだう/の/ゆいごん/やぶり/つ/べき/こころ/は/あら/む/かし さて たたずみ/よる/なら/む と/いひ/あへ/り
このように話すのは、播磨の守の子で、今年従五位下に叙せられた男だった。「とてもスケベな男だから、例の入道の遺言を必ず破ってやろうという気持ちがあるのだろうよ」「それで、あたりをうろつくのだろう」と言い合った。
かく言ふは 播磨守の子の 蔵人より 今年 かうぶり得たるなりけり いと好きたる者なれば かの入道の遺言破りつべき心はあらむかし さて たたずみ寄るならむ と言ひあへり
大構造と係り受け
古語探訪
蔵人より今年かうぶり得たる 05016
六位の蔵人から、この正月に従五位下に叙せられたの意味。
いと好きたる者 05016
この播磨守の子。
たたずみ寄る 05016
娘のまわりをうろうろする。