人びと海龍王の后に 若紫01章15

2021-04-26

原文 読み 意味

人びと 海龍王の后になるべきいつき女ななり 心高さ苦しや とて笑ふ

05015/難易度:☆☆☆

ひとびと かいりゆわう/の/きさき/に/なる/べき/いつき/むすめ/な/なり こころたかさ/くるし/や とて/わらふ

人々は、「海龍王の后に当てられた神聖な娘ってとこか」「志の高さがつらいの」と言って笑う。

人びと 海龍王の后になるべきいつき女ななり 心高さ苦しや とて笑ふ

大構造と係り受け

古語探訪

海竜王の后になる 05015

海に身投げして死ぬことを、揶揄して言い換えたもの。

いつき女 05015

潔斎しているむすめで、男を寄せつけないことの揶揄。

心高さ 05015

明石の入道から押しつけられた志の高さ。

苦しや 05015

娘の立場に立って、その気持ちを吐露した。連句のさきがけみたいな表現。付句としてなかなかおもしろい。一般の解釈は、娘の気持ちを推し量る、つらいだろうなと取る。しかし、これでは同情であって、揶揄にならない。

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