人びと海龍王の后に 若紫01章15
目次
原文 読み 意味
人びと 海龍王の后になるべきいつき女ななり 心高さ苦しや とて笑ふ
05015/難易度:☆☆☆
ひとびと かいりゆわう/の/きさき/に/なる/べき/いつき/むすめ/な/なり こころたかさ/くるし/や とて/わらふ
人々は、「海龍王の后に当てられた神聖な娘ってとこか」「志の高さがつらいの」と言って笑う。
人びと 海龍王の后になるべきいつき女ななり 心高さ苦しや とて笑ふ
大構造と係り受け
古語探訪
海竜王の后になる 05015
海に身投げして死ぬことを、揶揄して言い換えたもの。
いつき女 05015
潔斎しているむすめで、男を寄せつけないことの揶揄。
心高さ 05015
明石の入道から押しつけられた志の高さ。
苦しや 05015
娘の立場に立って、その気持ちを吐露した。連句のさきがけみたいな表現。付句としてなかなかおもしろい。一般の解釈は、娘の気持ちを推し量る、つらいだろうなと取る。しかし、これでは同情であって、揶揄にならない。