君は何心もなく寝た 若紫14章12

2021-05-10

原文 読み 意味

君は何心もなく寝たまへるを 抱きおどろかしたまふに おどろきて 宮の御迎へにおはしたると 寝おびれて思したり

05233/難易度:☆☆☆

きみ/は/なにごころ/も/なく/ね/たまへ/る/を いだき/おどろかし/たまふ/に おどろき/て みや/の/おほむ-むかへ/に/おはし/たる/と ねおびれ/て/おぼし/たり

君は何の用心もなく寝ておられる姫君を、抱き起こしになると、目を覚まし、父宮がお迎えにいらっしゃったと、寝とぼけてお考えになる。

君は何心もなく寝たまへるを 抱きおどろかしたまふに おどろきて 宮の御迎へにおはしたると 寝おびれて思したり

大構造と係り受け

古語探訪

何心もなく 05233

何も知らずにと訳されているが、何かを知る必要のある場面ではない。男が寝所に入ってきたことを知らずにいることに対する、話者の評である。こういうところからも、まだ紫は恋愛をする年齢ではないことが知られる。

寝おびれて 05233

本来怖い夢にうなされることだが、ここは単に寝ぼけての意味。

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