幼き人惑はしたりと 夕顔12章08
原文 読み 意味
幼き人惑はしたりと 中将の愁へしは さる人や と問ひたまふ しか 一昨年の春ぞ ものしたまへりし 女にて いとらうたげになむ と語る
04148/難易度:☆☆☆
をさなき/ひと/まどはし/たり/と ちうじやう/の/うれへ/し/は さる/ひと/や と/とひ/たまふ しか をととし/の/はる/ぞ ものし/たまへ/り/し をむな/にて いと/らうたげ/に/なむ と/かたる
「幼い子を行方知れずにしたと中将が憂えていたが、そういう子がいるのか」とお問いになる。「そうです。おととしの春におできになりました。女の子でとてもかわいらしくて」と話す。
幼き人惑はしたりと 中将の愁へしは さる人や と問ひたまふ しか 一昨年の春ぞ ものしたまへりし 女にて いとらうたげになむ と語る
大構造と係り受け
古語探訪
幼き人惑はしたりと中将の愁へし 04148
「かの撫子のらうたくはべりしかば いかで尋ねむと思ひたまふるを/02149」(帚木)を受ける。
ものしたまへりし 04148
生むの婉曲。