幼き人惑はしたりと 夕顔12章08

2021-04-25

原文 読み 意味

幼き人惑はしたりと 中将の愁へしは さる人や と問ひたまふ しか 一昨年の春ぞ ものしたまへりし 女にて いとらうたげになむ と語る

04148/難易度:☆☆☆

をさなき/ひと/まどはし/たり/と ちうじやう/の/うれへ/し/は さる/ひと/や と/とひ/たまふ しか をととし/の/はる/ぞ ものし/たまへ/り/し をむな/にて いと/らうたげ/に/なむ と/かたる

「幼い子を行方知れずにしたと中将が憂えていたが、そういう子がいるのか」とお問いになる。「そうです。おととしの春におできになりました。女の子でとてもかわいらしくて」と話す。

幼き人惑はしたりと 中将の愁へしは さる人や と問ひたまふ しか 一昨年の春ぞ ものしたまへりし 女にて いとらうたげになむ と語る

大構造と係り受け

古語探訪

幼き人惑はしたりと中将の愁へし 04148

「かの撫子のらうたくはべりしかば いかで尋ねむと思ひたまふるを/02149」(帚木)を受ける。

ものしたまへりし 04148

生むの婉曲。

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