まづ急ぎ参れり舟路 夕顔02章03

2021-04-13

原文 読み 意味

まづ急ぎ参れり 舟路のしわざとて すこし黒みやつれたる旅姿 いとふつつかに心づきなし されど 人もいやしからぬ筋に 容貌などねびたれど きよげにて ただならず 気色よしづきてなどぞありける

04025/難易度:☆☆☆

まづ/いそぎ/まゐれ/り ふなみち/の/しわざ/とて すこし/くろみ/やつれ/たる/たびすがた いと/ふつつか/に/こころづきなし されど ひと/も/いやしから/ぬ/すぢ/に かたち/など/ねびたれ/ど きよげ/に/て ただならず けしき/よしづき/て/など/ぞ/あり/ける

船路のせいで、すこし日に焼け色黒くやつれた旅の後の姿は、とても不恰好で好きになれない。しかしながら、生まれも卑しからざる血筋で、顔立ちなど老けてはいるがととのった感じで、並々でない風格が備わるといったところであった。何をおいても先ず、光の君のもとへ参上してきた。

まづ急ぎ参れり 舟路のしわざとて すこし黒みやつれたる旅姿 いとふつつかに心づきなし されど 人もいやしからぬ筋に 容貌などねびたれど きよげにて ただならず 気色よしづきてなどぞありける

大構造と係り受け

古語探訪

舟路のしわざ 04025

舟旅をしたせいで。

ふつつか 04025

太く頑丈な。繊細さを優美とみなす平安朝の美意識に外れる。

心づきなし 04025

愛情がわかない。話者の評。

ねびたれ 04025

年を取る。

よしづき 04025

由緒を感じさせる。

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