風すこしうち吹きた 夕顔07章06
目次
原文 読み 意味
風すこしうち吹きたるに 人は少なくて さぶらふ限りみな寝たり この院の預りの子 むつましく使ひたまふ若き男 また上童一人 例の随身ばかりぞありける
04082/難易度:☆☆☆
かぜ/すこし/うち-ふき/たる/に ひと/は/すくなく/て さぶらふ/かぎり/みな/ね/たり この/ゐん/の/あづかり/の/こ むつましく/つかひ/たまふ/わかき/をのこ また/うへわらは/ひとり れい/の/ずいじん/ばかり/ぞ/あり/ける
風が少し急に吹きだしたのに、人気も少なく、ここに伺候している者はみな寝ている。この院の番をしている子、親しくお使いになっている若い男であるが、それと殿上童ひとりといつもの随身だけいるのだった。
風すこしうち吹きたるに 人は少なくて さぶらふ限りみな寝たり この院の預りの子 むつましく使ひたまふ若き男 また上童一人 例の随身ばかりぞありける
大構造と係り受け
古語探訪
風すこしうち吹きたる 04082
「うち」は変化。前に「たとしへなく静かなる夕の空」とあった。嵐の前の静けさというやつだったのだろう。
人は少なくて 04082
「人」はこの院にもともといる警護の者であろう。
さぶらふ限り 04082
光に対して使えている者。
例の随身 04082
「例の」は夕顔と知り合うきっかけになった随身であり、この間いつも供の役を仰せつかったのだろう。