渡殿なる宿直人起こ 夕顔07章03
原文 読み 意味
渡殿なる宿直人起こして 紙燭さして参れと言へ とのたまへば いかでかまからむ 暗うて と言へば あな 若々し と うち笑ひたまひて 手をたたきたまへば 山彦の答ふる声 いとうとまし
04079/難易度:☆☆☆
わたどの/なる/とのゐびと/おこし/て しそく/さし/て/まゐれ と/いへ と/のたまへ/ば いかでか/まから/む くらう/て と/いへ/ば あな わかわかし/と うち-わらひ/たまひ/て て/を/たたき/たまへ/ば やまびこ/の/こたふる/こゑ いと/うとまし
「渡殿にいる宿直の者を起こし、紙燭をつけてまいれと言え」とご命じになると、「どうして行かれましょう、暗くて」と言うと、「なんと幼いことを」と少しお笑いになって、手をお叩きになると、山彦が答える声がして、ぞっとする。
渡殿なる宿直人起こして 紙燭さして参れと言へ とのたまへば いかでかまからむ 暗うて と言へば あな 若々し と うち笑ひたまひて 手をたたきたまへば 山彦の答ふる声 いとうとまし