惟光とく参らなむと 夕顔07章20
原文 読み 意味
惟光 とく参らなむ と思す ありか定めぬ者にて ここかしこ尋ねけるほどに 夜の明くるほどの久しさは 千夜を過ぐさむ心地したまふ
04096/難易度:☆☆☆
これみつ とく/まゐら/なむ と/おぼす ありか/さだめ/ぬ/もの/にて ここ/かしこ/たづね/ける/ほど/に よ/の/あくる/ほど/の/ひさしさ/は ちよ/を/すぐさ/む/ここち/し/たまふ
惟光が早く参ればよいのにとお念じになる。惟光は行く先の定まらない性だから、随身があちこち探し回っていた間、夜が明けるまでの待ち遠しさは、千夜を過ごすほどの心地でいらっしゃる。
惟光 とく参らなむ と思す ありか定めぬ者にて ここかしこ尋ねけるほどに 夜の明くるほどの久しさは 千夜を過ぐさむ心地したまふ
大構造と係り受け
古語探訪
参らなむ 04096
「なん」はあつらえの助詞。~してほしい。
ありか定めぬ 04096
女があちこちにいて、寝る場所が一定しない。